SHADE RACINGは、11月15日(土)~16日(日)富士スピードウェイで開催されました「ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐ファイナル FUJI」に参戦し、決勝はアクシデントに見舞われましたが9位で完走を果たし、シリーズチャンピオンを獲得しました。
11月13日(木)~14日(金)
今シーズンの884号車は開幕戦もてぎで2レース共にポールトゥウィンを達成し、幸先の良いスタートを切りました。さらに第3戦富士24時間レースでは2連覇を達成。その後も着実にポイントを積み重ね、ST-4クラスでシリーズランキングトップを堅持。前戦オートポリスから約4か月ぶりのレースとなった最終戦富士は完走さえすれば2021年以来4年ぶりのシリーズチャンピオン獲得が決まる重要な一戦となりました。13日からの走行では第3戦富士24時間と同じセッティングを施し走行を開始。ややアンダーステア※1の傾向は見られたものの、全体的には良好な結果を得ることができました。翌14日午前の走行では足回りの調整を行い、状態を確認する予定でしたが、赤旗中断により走行は午後に持ち越しとなりました。午後の走行で改めてチェックを実施し、予選および決勝に向けたセットアップを行いました。
※1・・・. コーナーで前輪のグリップが足りず、車両が外側に膨らんでしまう状態。走行ラインが変わってしまい、タイムロスの原因となる。
11月15日(土)予選
気温17.6度、路面温度20度の秋晴れの中、13:00からAドライバー予選が開始されました。今回はピット位置が最終コーナー側となり、予選を行う上で他車との間隔調整が必要※2となります。Aドライバーの影山は、無線でチームと連携しながらアタックタイミングを探るものの、混雑するコースに苦戦。それでもレースウィークを通じて自己ベストとなる1’57.802を記録し、5位でセッションを終えます。続くBドライバーの清水は圧巻の走りを披露。富士スピードウェイST-4クラスの自身のコースレコードを約0.9秒更新する1’54.869を叩き出し、堂々のトップタイムを獲得しました。A+Bドライバーの総合タイムは3‘52.671となり、見事ポールポジションを獲得しました。Cドライバー予選を担当する山田は決勝に向けてブレーキの焼入れ※3や決勝を見据えた給油量で走行し、最終確認を実施。走行後には、トランスミッションの交換や車両各部のチェックを行い、チャンピオン獲得に向けて万全の体制を整えました。
※2・・・. ピット位置が最終コーナー側だと、1コーナー側から他チームが順次コースインしていきます。その為、自チームがコースインする頃には、ほぼ全車がコースを周回しており、クリアラップを取る為には間隔調整が重要となります。間隔調整が上手くいかないと、ペースの異なる他車に引っかかってしまい、タイムロスします。
※3・・・. 決勝レースで安定した性能を発揮させるため、予め走行をしながら、徐々に熱をいれていく必要があります。急に熱入れをしてしまうと、クラック等の不具合が発生してしまうことがあります。
11月16日(日)決勝
迎えた決勝は26,100人の観客が見守る中、昨日に続き秋晴れの気温16.7度、路面温度19.7度というコンディションで、13:15に4時間の決勝レースがスタートしました。スタートドライバーを務めた影山は、ポールポジションでスタートし、順調に走行を重ねていきます。しかし、レース開始から20分を過ぎた11週目、影山から「エンジンからオイル漏れ!」という悲痛な無線がピットに届きます。レース中継の映像には白煙を上げながら走行する884号車の姿が映し出され、ピットで見守っていたメカニックやスタッフは一瞬、何が起こったのか状況が把握できませんでした。チームは即座に影山へ「エンジン回転数を下げてピットまで戻ってください」と指示。影山は慎重にマシンをコントロールし、なんとかピットまで戻ることに成功します。ピットではメカニックが修復作業を開始し、エンジン交換の可能性も視野に入れながらも、完走さえすればシリーズチャンピオン獲得が確実な状況で、走り切るための決死の確認作業が続けられました。エンジン交換では時間的に完走扱いにならず、オイル漏れの原因部品のみを交換し、再びコースへ戻る準備を進めました。
車両修復を終えた884号車は14:20分ごろに再びコースへ復帰。ダメージを負ったエンジンをいたわりながら回転数を抑え、残りの周回を慎重にこなします。29週目には清水、51周目には山田へドライバーを交替、73周目には再び清水にドライバーを交替します。レース終盤は日没を迎え視界が悪化する中、チームはタイミングモニター※4を確認しながら、後続の他クラスの速い車両が接近した際には無線で清水に伝え、接触などのアクシデントが起きないようサポートを続けました。清水は最後までマシンを労りながら走行を続け、91周目でチェッカーフラッグを受けました。この瞬間、ピットでは準備していたチャンピオンTシャツに身を包んだチーム全員が歓喜し、互いの検討を称え合いました。最終戦はクラス9位完走となったものの、4年ぶり、通算3度目のシリーズチャンピオンを見事に獲得しました。
※4・・・. サーキットを走行しているレーシングカーのラップタイムを『計時システム』によって自動で計測しています。ラップタイムは1000分の1秒単位で記録され、同時にセクタータイムや最高速度なども計測します。計測したタイムのデータはサーキット内のTVなどのディスプレイに配信され、これを『タイミングモニター』と呼んでいます。

影山 正彦選手
影山 正彦 選手
COMMENT
SHADE RACINGにフル参戦して3年目、3度目の正直でシリーズチャンピオンを獲得し、2025年は有終の美を飾ることができました。担当したスティントではトラブルにより悔いの残る走りとなってしまいましたが、その後は山田選手、清水選手、スタッフ全員がチーム一丸となった事で無事に完走することができました。STMOのルール改定に伴い、今年が最後のドライブとなりました。これまで応援くださった皆様に心より感謝申し上げます。
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予選ポールポジション獲得、ST-4クラスでの自身の富士スピードウェイ・コースレコードを樹立。そして2025年ST-4クラスシリーズチャンピオンを獲得することができました。これらの成果を成し遂げることができたのは、チームの皆さんの協力と、応援してくださった皆さまの温かいご声援のおかげです。1年間たくさんのご声援をありがとうございました。
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予選までが順調だっただけに、決勝でのオイルトラブルは本当に驚きました。しかし、それでもチームの皆さんの懸命な作業によって完走を果たし、シリーズチャンピオンを獲得することができ、大変嬉しく思います。このチャンピオン獲得に甘んじることなく、来季も「強いシェイドレーシング」として参戦し、表彰台獲得に向けて挑戦していきたいと思います。今シーズンもたくさんの応援をありがとうございました。
情報参照先
- SHADE RACING 公式webサイト:https://www.shade-racing.com/
- SHADE RACING 公式Instagram:https://www.instagram.com/shaderacing_official/?hl=ja
- SHADE RACING 公式Twitter:https://mobile.twitter.com/ShaderacingO
- SHADE RACING 公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCnpsV6R3gTBDm2hdLJm2DFQ
- スーパー耐久ホームページ:https://supertaikyu.com/
- スーパー耐久TV:https://www.youtube.com/channel/UC8sfQKfk_4_JePSHSupvT4w

